ベンチャー(Venture)は、シーメンスが製造する客車の名称。アメリカ合衆国やカナダといった北アメリカ向けの鉄道車両で、2024年現在、アムトラックを始めとした各地の鉄道事業者への導入が進められている。

概要

シーメンスがヨーロッパ向けに展開されている長距離向け客車「ヴィアッジョ・コンフォート(Viaggio Comfort)」を基に開発が実施された、北アメリカ市場向けの客車。各車内には冷暖房双方に対応した空調装置(HVAC)やwi-fiへの対応機器が備わっている。空気ばねを使った台車を用いる事で乗り心地の向上が図られている他、座席間隔を調整する事で座席のリクライニング時に後方の乗客の空間を損なわないよう配慮がなされている。また、幅広の乗降扉(プラグドア)、広い通路、車椅子スペース、バリアフリー対応トイレなど、車内レイアウトは障害を持つアメリカ人法(ADA)にも配慮している。車体設計については安全性を向上させるため、各車両の両端には衝突エネルギー管理(CEM)に基づいたクラッシャブルゾーンが設けられている。設計最高速度は125マイル毎時 (201 km/h)である。

「ベンチャー」は顧客の需要に応じて様々な車内レイアウトをする事が出来、シーメンスでは主に以下のような車種を提示している。また、「食堂+エコノミー座席」といった、2つの用途を組み合わせた合造車の発注も可能である。更に後述するアムトラック向け車両の一部は主電動機や変圧器、制御装置、パンタグラフといった動力装置が設置され(APV)、電化区間で動力が用いられる他、連結される機関車へ電力を供給する構造が採用されている。

  • エコノミークラス(Economy、普通車) - 最大定員74人。
  • ビジネスクラス(Business、優等車) - 最大定員54人。
  • カフェ(Cafe、食堂車) - 車内に厨房を設置。最大座席数44人。
  • エコノミークラス制御車(Cab、普通車) - 車体の一方の端に運転台を設置。最大定員62人。

製造に際してはバイ・アメリカ条項(Buy America Act)に基づき、カリフォルニア州のサクラメントに有するシーメンスの工場で製造が実施される他、部品もアメリカ合衆国各地の企業・工場が生産したものを用いる。

運用

2024年時点で、「ベンチャー」は以下の事業者への導入が実施、もしくは決定している。そのうち、アムトラックが2026年以降北東回廊やキーストーン回廊などへ導入する予定の83編成については「アイロ(Airo)」と言う名称が付けられている。また、下記の表の「編成数」は連結する機関車を除外した数値である。

ギャラリー

関連項目

  • チャージャー(Charger) - シーメンスが北アメリカ向けに展開する機関車(ディーゼル機関車、バイモード機関車)。「ベンチャー」との連結運転が可能であり、ブライトラインやVIA鉄道など固定編成を組む事例も存在する。

脚注

注釈

出典

外部リンク

  • (英語)“シーメンスの北アメリカ市場向け公式ページ”. 2024年11月19日閲覧。

ドイツの巨大産業企業シーメンスは、すでにデジタルシミュレーションやデータ分析などに特化した「テクノロジーカンパニー」を自称している

シーメンス いっぺいのブログ

バックマン社から本気のシーメンス・ベンチャー客車登場予定

独シーメンス、ロシア市場から撤退 ウクライナ侵攻で CNN.co.jp

シーメンスが提案する製品ライフサイクル管理 (PLM) による半導体製品市場投入の加速 EDA EXPRESS|日本初!EDAツールの