『浪子』(なみこ)は、1932年(昭和7年)製作・公開、田中栄三・木村一衛・滝村和男・三上良二・大内秀邦共同監督による日本の長編劇映画である。
略歴・概要
トーキー初期における3大トーキーシステムのひとつをもつアメリカ合衆国のウェスタン・エレクトリックは、日本に東洋ウェスターンを設立、同社は菊池東陽のオリエンタル写真工業の工場内にトーキー撮影の設備を設けさせ、オリエンタル映画社を設立した。同社の第1作として製作されたのが、徳富蘆花のヒット小説『不如帰』の変奏としての本作『浪子』であった。
東洋ウェスターンによるパラマウント映画日本支社との配給提携により、1932年(昭和7年)5月19日、東京・内幸町の帝国劇場等で公開された。オリエンタル映画社は、録音技師として派遣されたマッキナニーの人件費がかさみ、スタジオを新設したにもかかわらず本作1作のみで解消した。
本作の上映用ポジプリントは、マツダ映画社が54分のヴァージョンを所有している。現在も鑑賞可能な作品である。
スタッフ・作品データ
『日本映画発達史 II 無声からトーキーへ』(田中純一郎)、日本映画データベース参照。
- 製作 : 西本聿造
- 監督 : 田中栄三、木村一衛、滝村和男、三上良二、大内秀邦
- 脚本 : 森岩雄、小林勝
- 撮影 : 三村明、町井春美、池戸豊
- 照明 : 山口松太郎、小畑敏一、相田重義
- トリック : 松井勇
- 録音 : マッキナニー(ウェスタン・エレクトリック)
- 擬音 : 福田宗吉、篠原茂男
- 装置(美術) : 河野鷹思、万本敏直
- 普通写真(スチル写真) : 田公九二扶
- 音楽 : 松山芳野里、松山知恵子
- 上映時間 (巻数 / メートル) : 111分 (10巻 / 3,048メートル) / 現存 54分
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダード・サイズ(1.33:1) - モノラル録音(ウェスターン・トーキー)
- 初回興行 : 内幸町・帝国劇場 / 浅草・大勝館 / 新宿・新宿松竹館
キャスト
『日本映画発達史 II 無声からトーキーへ』参照。
- 水谷八重子
- 大日方伝
- 汐見洋
- 林千歳
- 澄川久
- 杉村春子
- 古川緑波 - 特別出演
- 大辻司郎 - 特別出演
- 松井翠声 - 特別出演
- 徳川夢声 - 特別出演
関連事項
- 不如帰 (小説)#映画
註
外部リンク
- 浪子 - 日本映画データベース
- 浪子 - IMDb(英語)


